経営理念
GCAサヴィアン株式会社(GCAS)は独立系M&Aアドバイザリーファームです。「クライアントのために本物のM&Aアドバイスをしたい」という思いに共感した仲間が集まって2004年に創業したGCASの経営理念は「For Client’s Best Interest」 (FCBI)です。どの金融機関にも属さない独立系ファームの存在意義はクライアントの最善の利益(Best Interest)の観点からM&Aを助言することです。
2006年にGCASは社会の公器として永続するためにM&A事業者としては日本初となる東証上場を果たし、さらに2008年には米国の独立系投資銀行であるサヴィアン社と経営統合し独立系上場M&Aファームとして世界でトップ5に入る規模となりました。
M&Aでは事業の買い手と売り手が存在します。売り手が自社の事業をより強くすることができる買い手に事業を売却することであらたな事業価値(M&A価値)が創出されます。売り手と買い手はこのM&A価値をフェアに分け合うことでウインウインのM&Aが実現します。これがマネーゲームではない「良いM&A」の醍醐味であり、「人を幸せにするM&A」の社会的な価値創出です。この際、価値分配をめぐって売り手と買い手との間には利益が相反します。そこでM&Aでは買収条件交渉というプロセスが必要になります。買い手ならばよりよい買収条件を望みますし、買収後の価値向上を見極めるための慎重な買収プロセス(事前調査や買収契約)が必要です。売り手であれば少しでも高い買収価格で売却することや売却対象事業の従業員が強い事業体の中で活き活きと仕事ができることに関心があります。そうした場面で、GCASは買い手、売り手のどちらかの一方のアドバイザーとしてクライアントの最善の利益のための助言や交渉その他のサポートを行いM&Aを成功へとも導くことがその使命です。したがって、GCASは売り手と買い手の双方から手数料を得ることを目的とした仲介業務やビジネスブローカー行為は行いません。
こうしたお手伝いはプロジェクトごとのものですが、GCASは一度でもお手伝いの機会をいただいたクライアントと長くお付き合いすることを目指しています。クライアントと長くお手伝いの機会をいただくことでクライアントの戦略をよく理解すれば企業価値を高める「良いM&A」をアドバイスすることができるからです。そのためにはクライアントに高品質のM&Aアドバイスを行うことが要求されます。目に見えないM&Aアドバイスというサービスには依頼者の不安が常に付きまといます。信頼されなければ繰り返しお手伝いの機会をいただくことはできません。
クライアントにベストのアドバイスを提供し、クライアントからの信頼を獲得するためにGCASでは「人」を大切にする経営を心がけています。失敗は許されないM&Aを専業とする職人集団が集まる職場は非常に厳しいものですが、GCASでは各プロフェッショナルがクライアントに向いて「明るく仲良く活き活きと」仕事ができるようにさまざま工夫を行っています。経営理念の実現のため専門家としての能力向上を目指す「GCA大学」、米国サンフランシスコで実施する「夏季トレーニング」、クライアントサービスの向上のためお互いに何でも言い合える仲間になるための社外アクティビティである「アミーゴス」、困った時にはお互いに助け合う社風を実現するための「フレキシブルアサインメント」などはその一例です。GCASでは上場企業中トップランクの平均年収の高さよりも創業以来の離職率の低さを誇りにしています。
また、M&Aの経験や能力よりも経営理念を尊重しクライアントのために仕事をする人財を重視して徹底した面接を実施し、これが情報管理を命とする独立系M&Aファームの内部統制、リスク管理、コンプライアンスのコアプロセスとなっています。案件規模にかかわらずクライアントのM&A成功に向けて一生懸命やることを各人が強く意識しています。そのため売上目標はありません。社内ではなく、あくまでも「クライアントからの評価」を重視します。リピートクライアントからの案件相談をありがたい、嬉しい、頑張ろう、と思うことがGCASでの最も重要な価値観です。重視する価値観はクライアントへの誠実性や責任感、仲間や外部協力会社への思いやりとお互いの尊敬や信頼、向上心と謙虚な姿勢です。GCASの唯一の資産である人財の育成が最も重要なのです。
GCASの創業メンバーは経営理念を共通言語とし互いの持ち味の違いを尊重し創業しましたが、クライアントから安心感をもって案件の依頼をしていただくために事業の永続性と成長へのコミットメントとして2006年に東京証券取引所に上場し「社会の公器」を目指すことにいたしました。上場時にGCASが約束した成長戦略は①今後、急成長が期待される日本国内市場でのM&Aアドバイザリー事業伸展、②M&A周辺事業への進出、③海外展開でした。
2007年には②のM&A周辺事業として、メザニンファンド事業(株式会社メザニン)、デューデリジェンス事業(株式会社DCo)に進出して②を実現しました。メザニンファンド事業ではクライアントの純粋MBO実現をサポートします。「M&Aファイナンスのプロ中のプロ」をドメインリーダーとしてメザニンファンド事業は成長を続けています。デューデリジェンス事業では単なる財務調査の域を超えてクライアントのM&A後の成功を見据えた高品質の事前調査を提供します。また、ブレインリンク社を経営統合して一気にパワーアップしました。
2008年には③の海外展開を実現するためのプラットフォーム作りのために米国投資銀行のサヴィアン社と日米初の三角株式移転による経営統合(Merger of Equals)を実現しました。この経営統合によりグローバル成長を志向するクライアントのためにM&A先進国である米国の超一流プロ集団を仲間として迎え入れることで真のグローバルM&Aアドバイザリーファームとしての事業展開が可能となりました。サヴィアン社はモルガンスタンレーやロバートソンスティーブンスといった一流の投資銀行出身者が「クライアントのためのアドバイザリーサービスがしたい」という思いで作った米国のM&A業界の中でも極めて稀なクライアント第一主義のブティック型投資銀行です。この点がFCBIを経営理念とするGCAとまったく同じだったのです。サンフランシスコ、ニューヨークを拠点とするサヴィアン社は、成長企業のための資金調達やM&Aのアドバイザリー業務がコア事業で売上高、営業利益がGCAと同水準の高収益企業です。サヴィアン社では金儲けのための自己投資を行ってこなかったのでサブプライムの影響は全くありません。サブプライム問題で疲弊する有力投資銀行からマーケットシェアを奪って急成長を続けています。
「Trusted Advisor」を経営理念とするサヴィアン社と「For Client’s Best Interest」を経営理念とするGCAは経営理念が本質的に同じであることが経営統合の鍵でした。サヴィアンとの経営統合後のGCAS共通の経営理念は「Trusted Advisor For Client’s Best Interest」 (TCBI)とし、今後はこの経営理念に共感する優秀な人財をグロバールレベルで仲間としてどんどん受け入れていきます。
本経営統合が海外のメディアでも大きくとりあげられた上にユーロマネー誌より「Deal of the Year」に選出されたこともあってGCASはサブプライム問題で揺れる欧米で有力投資銀行から離脱する優秀な人材の受け皿になりつつあります。海外の新しい仲間と共有する成長イメージは、
① 3年以内にグローバルネットワークを構築すること
② 5年以内に世界で最も信頼されるM&Aアドバイザリーファームになること(イメージはグリーンヒル社)
③ 10年以内に世界で最大の独立系M&Aファームになること(イメージはラザードフレール社)
④ 20年以内に世界で最も影響力のあるM&Aファームになること(イメージはブラックストーン社)と極めて明確でシンプルです。
GCASの強みは「違いと多様性」です。独立系M&Aファームに依頼されるM&A案件のほとんどは複雑で困難な案件であり、プロジェクト担当者は解決すべき様々な問題に直面します。この時に、専門分野や国籍、ネットワークといった「違いや多様性」のある組織が壁を作ることなく協力しあうことでクライアントの問題を解決することができるのです。すなわち「違いや多様性」が価値を作ります。「違いや多様性」は時にはお互いに不快に感じることがありますが、それをお互いに尊重しお互いの良いところを活かすことがポイントなのです。多様性のある人材の集合体であるGCASの経営判断は簡単ではないのではと指摘を受けることがありますが、そんなことはありません。経営理念に照らしてクライアントのためになることかどうかで判断すればいいので非常にトランスペアレントです。最後にご報告となりますが、GCASはトムソンフィナンシャル社より2007年度の「Advisor of the Year」(年間最優秀M&Aアドバイザー)として選定されました。GCASのような発展途上のベンチャーにとっては身に余る光栄だと思います。お手伝いの機会を与えてくださったクライアントに深く感謝し、これに慢心することなくこれからもM&A案件ひとつひとつに全力を傾注し、成功に導くことをお約束します。クライアントの皆様の重要案件のひとつひとつの成功の積み上げがグローバルM&Aファームとして世界レベルでの成長の実現を可能にします。クライアントのM&A成功による成長でGCASに投資をしてくださった株主の皆様の価値向上を実現していきます。今後とも皆様のサポートをお願い申し上げます。
GCAサヴィアン株式会社 代表取締役 渡辺 章博
